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未来を見据えた取り組み

20世紀半ばの防衛関連の研究から新素材や新技術が大量に生まれ、それが主流となっていった。そのため、時計とその製造に使用されるツールの両面で、新しい機能や改善されたものを宣伝することにより、製品のポジショニングが行われた。そしてブランドコミュニケーションにおいては、未来へのワクワク感を演出することが重視されるようになった。

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1967年のベンラスの広告では、顧客を“若く、活動的で、熱意にあふれる”と認識し、ベンラスが変化する消費者の状況に合わせた時計を作っていることをリテーラーにアピールしている。このようなコミュニケーションは、ノスタルジーとは正反対の発想で、時計が人々を過去と結びつけるという概念を捨て、逆に時計は未来への道を切り開くことを示唆している。ベンラスは、これらの時計を未来を切り開く科学者のためのものと位置付けていた。


利便性

新しいテクノロジーの出現は、単なる見せものではなく、生活をより快適に、より便利にするためのものであった。日常生活の特定の用途のために設計された、あるいは、少なくともそのように売り込まれた製品が急増したのだ。マイクロカーが普及し、全自動洗濯機が多くの家庭に登場し、レンジで加熱したレトルト食品の夕食には粉末の濃縮ジュースが添えられるようになった。時計においても、便利さが求められていた。

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60分タイマーは、パーキングメーターにタイムリーにお金を入れる時だけでなく、さまざまな場面で役に立つものとして宣伝された。それは“アポイントメントや会議、家庭でのあらゆる計時にも使えます”と。これは1959年の広告である。

 時計の広告画像は『Europa Star』のアーカイブから集められたものである。現在から過去数十年にわたるものがアーカイブされており、Europa Starのオンラインで見ることができる。